神無月ー9月: ランタナガマズミ
深まる秋の彩り
(Viburnum lantana, Order: Dipsacales, Family: Adoxaceae, Genus: Viburnum )
(マツムシソウ目、レンプクソウ科、ガマズミ属)
(マツムシソウ目、レンプクソウ科、ガマズミ属)
いつの頃からか、秋になると庭の片隅にナンテンよりも大ぶりの赤い実が目につくようになりました。それがWayfaring Tree、和名でランタナガマズミと呼ばれる灌木です。おそらく、鳥たちがやってきて、落としたフンの中に、種が入っていたのでしょう。
結構可能性は高いです。近くの陽当たりのよい、野原や生け垣のあちこちにランタナガマズミの茂みがあるからです。
日本で見られるガマズミとは、少し違います。葉はよく似ています。楕円形で深いしわが刻まれて、裏には白い小さな毛がびっしりと生えています。でも、実は、1.5センチほどで少し平たいのです。そして、夏には緑だった実が、秋が深まるにつれ、赤くなり熟すと濃紫色になります。日本のガマズミの赤い実は食べられるそうですが、こちらのガマズミは、残念ながら人間の口には合わないようです。猛毒はないようですが、食べるとお腹を下したりするようです。きれいな色合いを楽しむだけにして、あとは鳥たちや野ネズミのような小さな動物たちに秋の実りを味わってもらうことにしましょう。
ランタナガマズミの英語での一般的名称は、wayfaring treeです。Wayfaringは、歩いて旅することを意味します。(Fareフェアは、旅をすること。海を旅することは、seafaring。)旅をするなら徒歩だった昔からの言葉です。どうして、ランタナガマズミに、旅をするという言葉がつけられたのか。調べてみたのですが、どうにも見つけられませんでした。昔々、旅人たちは、この実を使って何かのおまじないをしたのか、薬として使ったのか。
(見つけたあかつきには、書き加えます)
ともあれ、10月は秋がいっそう深まっていきます。ランタナガマズミの濃い紫(ほとんど真っ黒)の実も、動物たちが頂くからか、どんどんと枝から消えていきます。穏やかな南東ウェールズでも、朝晩は10℃以下に冷え込むようになっていきます。でも夏時間が終わる10月末までは、まだまだ秋の名残の暖かい日射しを楽しめます。夜になると、そろそろ薪ストーブに火を入れる季節になってきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿