お気に入りの野原の道には、ゆったりと歩く人たちがありました。私は、まだ冬のコートを引っかけていましたが、みんな薄手のジャケットやら、半袖の人も!息子の友達のご両親に、出くわしました。考えることは同じで、彼らも金曜のゴールデンタイム(まさに、金色に輝く夕方の時間)に散歩に出かけたという訳です。しばし、世間話をしてから、私は別の道を歩き始めました。
スロー Sloe (Blackthorn)
今、野原のあちこちは、小さな白い花が真っ盛りです。ドイツに在住していた頃にも、早春になると、陽当たりのよい場所に同じような白い花を見かけていましたが、最近になって、これがSloe (Blackthorn)という野性スモモの1種だというのを知りました。秋には、この酸っぱい青い小さな実を少し頂戴して、ジェリージャムや、スロージン(ジンをベースにした果実酒)を作りました。春の青空に映える、白い花です。
アレクサンダー Alexsanders
野原などの陽当たりの良い場所には、青々とした草が冬にも増して増えてきました。イギリスには冬にも枯れずに青々とした野草がありますが、春になると清々しくみずみずしい緑に覆われてきます。これもその一つ。見かけは、セロリにそっくりです。私の持っている野草図鑑の数々を駆使してもなかなか分別がつきにくいほど、野性ニンジンの種類は豊富です。ようやく、これがアレクサンダーという名前を持つのがわかりました。もちろん食用にもなるというもので、味も食感もセロリに似ているのだそうです。この日はやめましたが、またの機会に少し頂戴して、食べてみようと思います。
ハシバミ Hazel
ハシバミの木の芽もずいぶんと成長してきました。ヒダヒダの若葉がどんどんと広がってきています。あと1週間ほどで、木の枝はびっしりと若葉で埋まるでしょうね。
小1時間の散歩を終え、終着点のファームまで辿り着きました。まだまだ陽は柔らかい金色の光を放っています。牧場の馬たちは、のんびりと草を食んでいます。牧場の人でしょうか、ピクアップトラックが1台、ゲートまで入ってきてエンジンを止めました。お仕事も終わりなのでしょうか。再び、静かな金曜の晴れた春の夕方です。
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