今まで、太陰太陽暦に基づいた、七十二候どころか、二十四節気というものも、あまり意識していませんでした。もちろん、季節の移り変わりを野外で見つけることは大好きなのですが。節気でいうと、冬の期間は、「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」の6節気に分かれているんですね。「立冬」「冬至」くらいしか、意識したことがなかったです。「小寒」「大寒」も耳にしていたものの、「大寒」が、冬の節気の最後にあたるとは、全く知らなかったのです。
太陰太陽暦は、太陰暦と太陽暦を合わせ、季節のずれが出ないように調整された暦なのだそうです。七十二候というのは、二十四節気をさらに3つ、「初候」「次候」「末候」に分けた暦なのですね。
つまり今日、1月22日は、「大寒」の「初候」と呼ばれるのです。
前置きが長くなりました。
「大寒」に入り、あと2週間弱で、「立春」、春の到来となるのです。冬も、終盤に入ったのだなあ。
単なる暦の上だけではないです。特に、この辺り、英国の南ウェールズ地方は、英国でも気候が穏やかで、冬でも零下に気温が下がることも滅多にありません。
春の兆しは1月の終わり辺りから感じることができます。冬至を過ぎれば、太陽の光が日一日と、明るくなってくるのがわかります。冬の間は、ぼうっと黄味がかった日射しだったのが、少しずつピントがあって、外の輪郭がきりりとしてきて、色もはっきりしてくるような。
うちの庭にも、春のきざしを見つけました。
ハシバミの黄色い雄花。ハシバミというより、ヘーゼルナッツの木という方が馴染みあるでしょう。雌花もあるのですが、赤いガクのついた2、3㎜ほどの小さい小さい花です。枝の節のところどころについているのですが、目をこらさないと見つかりません。
冬の殺風景な庭に彩りを与えてくれるのが、これも黄色の、マンサクの花。英語名は、witch hazel(ウィッチ・ヘーゼル)。ヘーゼルという名がついていながら、マンサク科(Hamamelis/ハマメリス)、カバノキ科のハシバミとは全く別の種類です。細いリボンのような花は、結構長いこと、1か月以上は枝についていて、目を楽しませてくれます。ハマメリスは、止血作用があるとかで、子供たちが小さい頃から鼻血止め用のホメオパシーのレメディを常備しています。自分でレメディを作るつもりはないけれど、この木を植えたいなと思い立ったのが数年前。半日陰ながら、毎年、1月になると、黄色い花をいっぱい咲かせてくれます。
そんな半日陰の茂みの下では、ひっそりと緑の芽を出してきている植物たちがあります。トネリコの大木の葉が、秋にどっさり落ち、その下で寒さから守られているのでしょう。1月を過ぎると、lords-and-ladies( ローズ・アンド・レイディス、学名:Arum maculatum /アマムシアルム)のつややかな緑色の葉っぱがお目見えします。サトイモ科なんだそうですが、初夏に咲く花を見ると、この名前の意味がわかります。まるで、貴族がハイカラーの装束を身にまとった姿のようなのです。今は、このつやつや鮮やかな緑だけですが。
そして、スノードロップ。うちの庭には、いつも1月半ばになると、同じ場所に、ちょこっと顔を出してきます。今年も、前日の大嵐の雨しぶきで泥だらけになりながらも、可愛らしい姿を表わしました。うちのスノードロップは、小さく、10㎝にも満たないほど。来週辺りに花が開きそう。歳時記では、「フキノトウ花咲く」です。英国ウェールズでは、スノードロップ。まもなく冬も終わりです。
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