2014年12月26日金曜日

メリークリスマス!



みなさま、楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか。今日は、クリスマス第2日目、英国では「ボクシングデー(Boxing Day)」と呼ばれます。もともとは、クリスマスデーの翌日、雇い主がクリスマスプレゼントを入れた箱(ボックス)を召使いなどに贈り与えたのが名前の由来だそうですが、今では、大バーゲンセールの日としての方が定着しています。

我が家は、ドイツ人の夫を中心に、クリスマスはドイツ式に過ごします。何がドイツ式だというと、クリスマスの4週間前に、上の写真(ろうそくの灯った)のようなアドベントのリースを用意します。リース作りは、ドイツ語を話す友人たちと第一アドベントの直前に作るのが恒例になりました。それぞれの庭にある枝や葉っぱ、それにリースを彩る飾りを持ち寄ります。持ち寄ったものをお互いに交換しあってその年のリースを仕上げます。玄関ドアに飾ることもありますが、ドイツでは、4本のろうそくを置いてテーブルに飾ります。クリスマスの4週間前の日曜が、第1アドベント(待降節)。1本目のろうそくに火を灯します。4本全部にろうそくが灯ると、クリスマスです。

そして、英国では、クリスマスデー(25日)にプレゼントを開けますが、ドイツ式では、イブ(24日)に。ツリーも、英国のように12月初めからでなく、イブの日の朝に、居間にツリーを立て、飾りつけをします。カトリック教の夫の家族親戚中では、サンタクロースではなく、Christkindがプレゼントを運んできます。(サンタクロースのモデルになった、聖ニコラウスは、12月6日に、良い子へプレゼントを与えます。でも、現在では、聖ニコラウスのプレゼントは、ミカンや木の実など小さなものです)

今回、私自身へのプレゼントを用意しました。それは、松ぼっくりの鱗片から構想を得たというネックレス。昨年、クラフトフェアで知り合ったYukiさんの作品です。今年のフェアも、お隣同士になり、並べられた中で、一目惚れしたのがこれです。普段、まったくアクセサリーを身につけない私。それだけに、本当に気に入ったものです。

Yukiさんは、loccaというアクセサリー制作工房を主催されている、同じく南ウェールズ、カーディフ在住の作家です。七宝焼の技術を活かしながら、新しい表現を試みるアクセサリーの数々。植物や動物など自然をテーマにしたモチーフは、私の興味をそそります。
(Yukiさんのブログ:「四晩目の猫」)



さて、クリスマスデーは、久しぶりの晴天。遅い朝食を取った後、家族でいつもの森へ出かけました。粘土質のこの辺り、冬は長雨のために、どろどろじゅくじゅくになってしまいます。が、普段、散歩をしたがらない長男が、どろどろじゅくじゅくになっても森をあ歩きたいと言うので、全員、長靴や、フル装備のウォーキングシューズといういでたちで出かけました。



散歩のスタート地点の小川は、この所の悪天候にかかわらず、穏やかに澄んでいます。散歩道の傍らに広がる緑の牧草地では、羊たちがせっせと草を食んでいます。


陽当たりの良い散歩道は、それから森の中へ。森のすそには、枯れはてたシダの葉が。春には、ワラビを頂いた場所です。そこだけ、ぼうっと霧に包まれたような幻想的な雰囲気を漂わせています。


森の中は、静かです。小鳥たちだって、クリスマスデーで休んでいるんでしょうか。私たちの声だけが響き渡ります。どろどろじゅくじゅくで滑りやすい斜面を注意深く上っていくと、ブナの葉に敷き詰められた道に出ます。ブナの森は、落葉して空が見えます。でも、冬の太陽は、お昼すぎたばかりなのに、木々の向こうから弱々しい光を送ってくるだけ。


途中、倒れた古いブナの木が、道をさえぎっていました。根もとの所からばきっと折れたような形です。嵐の強風で倒れたのか、古くなって高く重くなった幹を支えきれなくなったのか。こういう風景を、ところどころで見かけます。雨の多いこの地方、そのうち、苔むしていき、キノコが生え、再び土に戻っていくのです。


ブナの森には、ブナの木の他にも、少数ながら違う木が共生しています。たとえば、Larch、カラマツ。落葉する針葉樹です。カラマツの周りに、松かさが枝にいくつもついた状態で落ちています。カラマツの松かさは、日本でよく見かけるクロマツのものより、ずっと小さいです。3センチあるかないか。Yukiさんのネックレスのモチーフになったのは、こんな感じの繊細な松かさかな、と思いをはせました。



クリスマスは、今日で終わり。明日から、いつもの毎日に戻ります。みなさま、良いお年をお迎えください。