2015年12月14日月曜日

師走ー12月:コトネアスター  Cotoneaster

師走ー12月: コトネアスター

冬色の中に鮮やかな赤


(Cotoneaster horizontalis, 
Order: Rosales, Family: Rosaceae, Genus: Cotoneaster )
(バラ目、バラ科、コトネアスター属)

暗くてじめじめした12月がやってきました。冬至は22日、間もなくです。(冬至を過ぎれば、しかし、また少しずつ日照時間が増えてくる!)うちの庭は、まだ結構、緑の部分が目立ちます。が、大きなトネリコやらフィールドメープルなどの落葉樹は裸になり、ほったらかしにしているアジサイの鮮やかだったピンクの花は、緑灰色がかってスモーキーな渋味を醸し出しています。庭の色が冬色のくすんだ中に、赤い色は映えます。

そろそろコトネアスターの葉っぱも小さな鈴のような実の次に、赤くなってくる頃です。でも今年は、12月も半ばになろうとしているのに、葉っぱの外側辺りの部分しか赤くなっていません。今年の秋も、12月に入ってからも、例年より気温が高く、最低気温が10℃以上の日が多かったからかもしれません。

この版画に描かれている、真っ赤な葉っぱのコトネアスターは今年のものではなく、クリスマスのすぐ後あたりの姿です。普段なら、あちこちの庭先の低い塀などに這わせて見事な枝振りに赤い葉っぱと鈴なりの実を見かけます。うちの庭のコトネアスターは、ほんの少しだけしか実がなりません。周りに背の高い植物がいっぱい茂っているせいでしょうか。
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コトネアスターは、野生ではなく、中国から観賞用に渡ってきたものだそうで、庭や公園などに植わっているのを見かけます。つやつやした厚めの小さな丸い葉っぱが、扇状あるいはシダのように広がった小枝にびっしりとつき、その間に小さな丸い鈴のような赤い可愛らしい実がなります。

昨日、英語版の方を書いていて、庭先へ出てうちのコトネアスターを見ると、なんと、ちょっとしかなかった貴重な(?)赤い実が見事になくなっていました。ちょっと離れたところにあるピラカンサを見ると、やっぱり鈴なりだった朱色の実も、ものの見事になくなっていました。多分、小鳥たちに食べつくされてしまったのでしょう。今年の秋は暖かかったし、食べるものには不自由していないと思ってましたが、そろそろ、小鳥用のエサ入れに、穀物や種を入れてあげる時期がやってきたようです。


霜月ー11月:セイヨウカジカエデ Sycamore

霜月ー11月: セイヨウカジカエデ

大切な思い出の木


(Viburnum lantana, Order: Dipsacales, Family: Adoxaceae, Genus: Viburnum )
(ムクロジ目、ムクロジ科、ガマズミ属)




日本での個展も無事終わり、11月半ばに英国の自宅へ戻りました。毎朝のウォーキングを再開した、霜の降りた寒い朝。いつものコースを歩いていて、湿地帯にかかった小さな木の橋(というには小さすぎるかも)で立ち止まりました。黄色い葉っぱが、風もないのに次から次へと地上へ落ちていました。カレンダーのシカモア(セイヨウカジカエデ)ではない、小判型の葉ですが。木を仰ぎ見ると、木立の上には、澄みきった青空が広がっています。そろそろ、秋も終わりです。

散歩の後半、農家と羊たちが草を食む牧草地の間の木立の下の道にさしかかりました。右手の農家の敷地には、結構たくさんの木(これもシカモアではありませんが)が林のように生えていて、その下で、持ち主らしき男性が、がんじきでせっせと落ち葉を掃いていました。うちのトネリコの大木1本だけでも、かなりの落葉の量だし、広い林のような敷地をがんじきで全部掃くのは無理ではなかろうか。。。

そうして、農家の敷地と道の境に、何本ものシカモアの大木が植わっています。夏には、緑の屋根のように生い茂っていますが、今は、やはり散歩の最初に見かけた黄色い葉のように、はらはらと葉が落ち、道は、黄色い葉っぱ、上の方は青空が透けて、明るく見えます。落ちたばかりの黄色い葉は、そこに太陽の光が当たったように明るいです。雨の多い、ウェールズです。雨が続いて、人や動物たちが踏みつけていくと、茶色く変色して、冬の色になっていきます。冬は間近です。

シカモアの葉は、一見、プラタナスなどの種類かと思われますが、系統としては、カエデの方です。カレンダーには描いていませんが、プラタナスのような球状のタワシのような実ではなく、やはりカエデのように羽根のついた実がなります。

個人的には、シカモアの木は思い出深い木です。引っ越してきて以来、仲良くしていたお隣さんの敷地側にシカモアの大きな木が立っていました。ちょうど、お隣さんの家とうちとの境にです。そして、その反対側に、双子のように、トネリコの大木がうちの敷地側に立っていました。道の方から見ると、双子が寄り添うようにして立っているように見えました。

でも、数年前にシカモアの木は切り倒されてしまいました。うちの側のトネリコも去年、切り倒しました。どちらの木も、建物に近接しすぎて、根が張りすぎ、家の土台を台無しにしてしまうので、切るしかなかったのです。

それでは、あまりに悲しいので、前々からスケッチしていた双子の木を版画(木のポートレートシリーズの中)にして残すことにしました。残念なことに、お隣さんは、お子さんも成長して巣立っていったので、大きな家と庭には手が回らないということで、同じ町内とはいえ、引っ越しされてしまいました。引っ越しする時に、版画の第1枚目を記念に贈りました。

そういう訳で、シカモアの木を見ると、少し感傷的な気分になるのです。

でも、この間、友人が主催者の一人であるレソトの子供達の教育をサポートしようというNPOのクリスマスクラフトフェアに出店していたら、前お隣さんがご夫婦でいらっしゃって、感激の再会。小さな町に住んでいるとはいえ、なかなか会うこともないのです。嬉しかった11月でした。