2014年3月23日日曜日

春の庭そうじ

3月もあと1週間で終わり。どんどん春めいてきました。今週の21日は、春分でしたね。イギリスは、祝日ではなかったですが。

1日1日、日射しが強くなってくるのが嬉しくなります。来週末には夏時間に切り替わると、1時間くりあがるので、夕方の明るい時間が増えるのも嬉しいです。

週末は、空気が冷たかったものの、晴れた良い天気でした。目につくのは、庭のごちゃごちゃした所。秋から冬にかけてずっと放ったらかしにしていたので、枯れた去年の植物や、いつのまにかはびこった雑草に覆われています。3月に入ってから、少しずつ枯れ草やら剪定やらしてきましたが、これからスピードアップして庭そうじを進めないと。

去年、種から育てていたラベンダーを花だんの端っこに植える時期です。末っ子がクワとショベルを持ってきて、芝生のはじっこをはがし、場所を作ってくれました。それから、土を掘りかえし、腐葉土と砂を混ぜたものを入れ、ラベンダーの苗を植えてくれました。頼もしいものです。

ヘーゼル(ハシバミ)の木の芽も日ごとにふくらんできます。苗木を植えて、4、5年経つのですが、一昨年、ほんの数個が初めてついたのに、去年はまったくなし。今年は、雌花もたくさんつき、実がたくさん成ってくれると良いな。


ルバーブの葉が繁り始めました。茎も日ごとに太く長く、色も鮮やかな赤に染まっていきます。料理に使うには、もう少し待たなければならないです。これから暖かくなってくると、夏中、秋までケーキやデザート、ジャムに使うことができるほど、どんどん茎が育ちます。


雑草、といえば、これらの草花も雑草です。スミレ(この種類は早咲きのearly dog-violet)とグリーン・アルカネット(green alkanet)。

スミレの方は、この家に引っ越した当時は影も形もなかったのに、いつのまにか、前庭の大部分を占拠してしまいました。なにしろ根っこが頑丈、種はあちこちへ飛び散るので、ちょっとやそっとの除草では歯が立ちません。毎回種がふくらんでくる頃になると、スコップを持って取り除こうとして、あきらめます。早春、クロッカスの次に可愛らしい花を咲かせ始めるスミレを見ると、そのままにしておいてよかった、と思ってしまうのです。この花弁は食べられます。その上、ハーブとしていろいろな使い方ができるのです。そのまま、サラダやケーキ類に散らしたり、乾燥させてお茶にしたり、花びらのゼリージャムに使ったり、砂糖漬けにしたりできます。


グリーン・アルカネットは、うちの庭への新参者です。スミレのようにいつの間にかやってきました。鳥や、リスやネコ(もしかすると、どこか見えない所に住んでいるハリネズミやキツネ)たちが、種を運んできたんでしょうね。写真ではクローズアップしていますが、実際の花は5ミリもあるかないかの小さな花です。葉には小さな毛が生えているのでチクチクするので、取り扱い注意ですが、うす青の可憐な花は、ワスレナソウにも似て憎めないのです。

そういう訳で、なまけ者の私の庭は、どちらかというと野性の植物(いわゆる雑草)の方が幅を利かせているのです。



2014年3月16日日曜日

早春の霧でした

晩秋に霧が深く立ちこめるということはたまにありますが、今週、数日間にわたって、この辺り、とっぷりと乳白の霧につかっていました。日中の気温、5、6℃までしか上がらず、外を歩くと霧の粒にまとわりつかれて、しっとりと濡れたようになってしまいます。傘など使いようがないのです。

用事で隣の町へ出かけた朝、海岸の方へ足を向けました。夏は海水浴場になるにぎやかな場所です。が、今は季節外れ、それも霧の朝。犬の散歩の人がちらほら霧の間から現れては消える、という具合。海岸だというのに、引き潮のせいもあるでしょうが、なんだか消音器をつけたように静かです。波の音さえほとんど聞こえません。

砂利の海岸を歩くと、赤みを帯びた小さな草の葉を見つけました。小石の間で、冬を生き延びたのでしょうね。


帰宅途中にある、湖のある公園に立ち寄りました。ここは、水鳥の憩いの場になっていて、絶えずカモメたちの騒がしい鳴き声がするのですが、やはり静かです。水辺まで行くと、カモメも白鳥もカモたちも静かに水に浮かんでいました。公園といっても森や草原がそのままに残されている場所です。湖沿いに草原の方へ歩いていきました。


ほんとうに静かなものです。ふだんはうるさいカササギも、春の訪れに清々しい声を聞かせてくれるブラックバード、かわいらしいさえずりの小鳥たちも、どこかで静かに霧が晴れるのを待っているのでしょうね。道沿いに柳の木があります。つやつやの毛をたくわえた花穂がたくさん枝についています。大気の中の蒸気が水滴になって花穂についています。野性のスモモの小さな白い花が散り染めでした。近寄ると、可憐な花びらにも水滴がついてみずみずしい。霧の中は寒いけれど、植物たちは着実に春を告げ始めています。




2014年3月9日日曜日

春を探しに森歩き

3月になり、ようやく雨も少なくなり、春めいてきました。この冬は、英国中が水浸しになりました。大きな低気圧が、これでもかというくらい何度もウェールズを襲い、毎日のように雨が降りました。雨の多いウェールズでも記録的な降水量でした。

今朝は、朝からすっきりした青空。風もほとんどなく、窓を開けるとクロウタドリ(black bird)や、コマドリ(robin)たちの透明なガラスをころがすようなさえずりが聞こえてきます。彼らのさえずりが早朝から聞こえ始めたら、春です。ずっとずっと前、大学時代、ドイツに短期滞在したのが早春。その時に、まだほの暗い朝に、窓から聞こえてくる冴え冴えとした鳥のさえずりに聞きほれたのを思い出します。それが、初めて聞いたクロウタドリの声でした。ドイツ在住時代にも、クロウタドリのさえずりに春の訪れを感じていましたが、十数年前に英国に住まいを移した時、彼らのさえずりが聞こえてきたのは嬉しかったです。

今日は、散歩日和です。温度計を見ると、すでに10度以上。今までの厚いコートはやめて、薄いアノラックという軽装で出かけました。

森のはずれの駐車場に車を停め、森の中を歩き始めました。数週間前に歩いた時より、地面はしっかりしてきていましたが、まもなく、地面が割れた場所に遭遇。あまりにも雨が降りすぎたために、地盤がゆるみ、道の部分が崩れたようです。半分になった道を、反対側から来る人たちと譲り合いながら通り抜けました。たいがい、ウォーキングルート(footpath)の岐点には、ゲートがありますが、そこに地割れのために通行不可能という貼り紙がありました。反対側から来た私たちの方には貼り紙もなかったので、知らずに歩いてしまいましたが、遅かりし。



この一帯には森がいくつか点在していて、その間には、草原や小川、湿地帯などがあります。初めの森を抜けると、陽当たりのよい場所のあちこちに、野草が咲き始めていました。プリムラや、レッサーカレンディン、スイセンなどが可愛らしい黄色の花を咲かせています。野性のプリムラは、栽培種よりひと回り小さく、愛らしいクリーム色の花をつけます。私の大好きな花の一つです。日本にいた頃には、赤や紫などの鮮やかなプリムラしか知らなかったですが、この野性の淡いクリーム色の小さな花には勝てないでしょう。レッサーカレンディンは、バターカップ属らしく、つやつやした花弁が黄色をいっそうキラキラと輝いてみせます。うちの庭の一部にも群生しています。いったんはびこるとめったなことで、除去できないほどの生命力なのです。でも、森の中では、春をいっそう華やかにしてくれますね。スイセンにはいろいろな種類がありますが、野生化している小ぶりな黄色い水仙も、周りを明るくしてくれます。ブナ林の端っこの陽当たりのよいところに点在して花を咲かせていました。




そして、白いウッドアネモネの花。初めて見たのが、この森でした。早春の落葉樹の木立の間、木漏れ日の中で、白く小さな可憐な花を咲かせ始めていました。これから5、6月まで咲き誇ります。直径が3、4センチという小さな花で、栽培されているアネモネと同じ種類なのかというほど小さいものです。もう少しすれば、ウッドアネモネの群生が一斉に花盛りになります。



ブナ林には、ワイルドガーリックがそこいら中びっしりと芽吹いていました。5月頃になると、白い花が咲いて幻想的な風景になります。が、今日はここで、柔らかい葉っぱを少し摘み取らせて頂きました。林沿いの道から、2本のステッキ(ノルディック・ウォーキングかな?)をついて歩いていた年配の男性が、にこやかな顔をこちらに向けて
「ほう、ワイルドガーリックのサラダを食されるんですか』
と尋ねられました。
「はい、たぶん」
と、私。ペーストを作ることしか考えていなかったけれど、サラダというのもいいなと思ったわけです。ガーリックの若葉だけでは強烈すぎるだろうし、他のサラダの葉っぱと混ぜて、バルサミックビネガーとオリーブオイルのシンプルなサラダ。

若葉を摘んでいる間にも、林沿いの道を、子供や犬を連れた人々が春のひざしを浴びながらゆったりと歩いて行きます。このところ、めったに散歩の人を見ることもなかったのに、みんな春を待ちかねていたのですね。子供や犬たちは、もう嬉しくてしかたがないように歩いていられず、走り回っています。それを見る大人たちのまなざしも柔らかいのです。

ブナ林の向こうは湿地帯。歩いていると、なんだか赤いバラの花びらが落ちているような。近寄ってよく見れば、赤いキノコ。毒々しい色なのですが、キノコには虫喰い跡があります。おそらく毒キノコではないでしょうが、キノコは形と色を楽しませてもらうだけにします。


 森を抜けると、再び透き通るような青空が広がっています。ネコヤナギの種類でしょうね、ふくふくとした雄花が目を引きました。植物や動物たちは、長くじめじめした冬の終わりを感じて、みんな動き始めているんですね。

さて、帰宅してからワイルドガーリックの若葉を洗いました。今日は、これを使ってディップを作ろうと初めから考えていました。水でホコリなどを洗い流した葉っぱはつやつや新鮮。ニラ系の香りが漂ってきます。


包丁でざく切りした葉とバージンオリーブオイル、塩少々を加えて、ブレンダーで混ぜるとペーストの出来上がり。ここに、普段ならギリシャ風ヨーグルト(クリーミーな濃厚ヨーグルト)を加えるのですが、今日はフロマージュ・フレしかなかったので、代用。それでも、まあまあOK。帰ってきてから、パン生地(パン焼き機があるので、生地作りは非常にラク)を用意し、小ぶりのパンを焼きました。夕食は、サラダに、ゆで卵、アボカドなどを添えて。ディップは、パンにつけてもよし、ゆで卵やアボカドにも合いました。ベジタリアンソーセージも用意したのですが、これにも合いました。去年を思い出しました。ソーセージなどの肉類に添えると、臭みがとれて美味だったのです。ギョウザのニラ代わりにもなります。これからが旬なので、次回には肉料理にしようかな、などと考えてしまいます。野性の植物を食卓でも大いに楽しめる季節がやってきました。




日本語版ブログを始めます!:はじめに

(追記)
周囲の方々からすすめられていた懸案のオンラインショップを立ち上げました。米国で立ち上げられ、今では世界中で利用されているアートなど手作り品、ビンテージものを取り扱うオンラインのマーケットプレイス、Etsyにオンラインショップをオープン。


残念ながら、現在のところ、日本語版は準備中だそうですが、サイトの下部左側、ブルーの文字で English (UK)となっている所をクリックすると、言語選択で日本語が選べます。個別ショップの内容は書かれた言語でしか表示されませんが、徐々に和訳されていっているようです。

はじめまして!

英国ウェールズ州をご存知でしょうか。英国の本島、南西部に位置します。ロンドンからは、車か鉄道で約2時間強くらいの距離です。ウェールズ州の中でも南部、州都カーディフ市の郊外、ブリストル海峡に面した海辺の小さな町に住んでいます。海岸に立つと、雰囲気が、私の故郷、兵庫県南部から淡路島を臨む景色になんとなく似ています。

海辺から少し入ると、丘陵地帯に野原や森があちこちにあります。


折にふれ、小径を歩き回って、移り変わる季節の中で、さまざまな表情を見せてくれる植物たちを見るのが好きです。

野外を歩き回っていると、散歩をしている人々と出会うこともあります。知らない同士でもあいさつをし合います。普段は軽くあいさつを交わすだけでおしまいですが、時には面白いこともあります。私の知らない森の植物や歴史について話がはずむこともあります。

まったく人に出会わないことも多々あります。すぐそこに小さな小鳥がちょこんとたたずんでいたり、静かな森の中にキツツキの木をたたく音が響いてきたりすることもあります。野うさぎが群れになって草を食んでいるのを目撃したりすることもあります。

そういったとても愛おしい瞬間を、切り絵や木版画で表現してみたいと思っています。

英語のブログでも木々のダイアリーと名付けた日記で、英国ウェールズでの私の周りの自然の移り変わりをつづっていきます。

ダイアリーの分類は右横の「ラベル」にあります。

作品の紹介は、フロントページのメインの写真のすぐ下に、カテゴリーがあり、表現方法別に分類しています。

それでは、英国ウェールズの自然たっぷりのブログをお楽しみください。