2014年3月16日日曜日

早春の霧でした

晩秋に霧が深く立ちこめるということはたまにありますが、今週、数日間にわたって、この辺り、とっぷりと乳白の霧につかっていました。日中の気温、5、6℃までしか上がらず、外を歩くと霧の粒にまとわりつかれて、しっとりと濡れたようになってしまいます。傘など使いようがないのです。

用事で隣の町へ出かけた朝、海岸の方へ足を向けました。夏は海水浴場になるにぎやかな場所です。が、今は季節外れ、それも霧の朝。犬の散歩の人がちらほら霧の間から現れては消える、という具合。海岸だというのに、引き潮のせいもあるでしょうが、なんだか消音器をつけたように静かです。波の音さえほとんど聞こえません。

砂利の海岸を歩くと、赤みを帯びた小さな草の葉を見つけました。小石の間で、冬を生き延びたのでしょうね。


帰宅途中にある、湖のある公園に立ち寄りました。ここは、水鳥の憩いの場になっていて、絶えずカモメたちの騒がしい鳴き声がするのですが、やはり静かです。水辺まで行くと、カモメも白鳥もカモたちも静かに水に浮かんでいました。公園といっても森や草原がそのままに残されている場所です。湖沿いに草原の方へ歩いていきました。


ほんとうに静かなものです。ふだんはうるさいカササギも、春の訪れに清々しい声を聞かせてくれるブラックバード、かわいらしいさえずりの小鳥たちも、どこかで静かに霧が晴れるのを待っているのでしょうね。道沿いに柳の木があります。つやつやの毛をたくわえた花穂がたくさん枝についています。大気の中の蒸気が水滴になって花穂についています。野性のスモモの小さな白い花が散り染めでした。近寄ると、可憐な花びらにも水滴がついてみずみずしい。霧の中は寒いけれど、植物たちは着実に春を告げ始めています。




0 件のコメント:

コメントを投稿